大学受験では「前期」と「後期」の2つの日程があり、それぞれ出願から合格発表までの流れや倍率、求められる戦略が異なります。「前期で落ちたらどうなるの?」「後期はチャンスが少ない?」といった不安を抱える受験生も多いでしょう。この記事では、前期・後期の違いや基本的なスケジュール、出願戦略の考え方まで、はじめて受験を迎える人でもわかりやすいように整理して解説します。
前期・後期入試の基本情報
まずは、大学受験における「前期・後期入試」の基本情報を押さえましょう。
制度の仕組みと日程の流れ
大学受験には「前期日程」と「後期日程」があります。どちらも国公立大学で採用されている入試制度で、共通テストの後に実施される二次試験の一部です。前期日程は毎年2月25日(2日日程の場合は25〜26日)、後期日程はさらにその2週間後くらい(後期は多少バラつきあり)に実施されます。
試験は日程ごとに1人1校まで出願でき、前期で合格すれば後期の試験は受けられません。反対に前期で不合格だった場合にのみ、後期を受けることができます。
例えば、前期では志望度が高い大学に挑戦し、後期では安全性を重視した大学を選ぶという出願戦略が考えられます。このように、大学受験の前期と後期には役割や日程に明確な違いがあります。
2025年度の前期・後期の日程目安
2025年度の大学入試では、共通テストが1月18日・19日に実施されます。前期試験は2月25日、後期試験は3月12日ごろに設定されています。 出願は共通テストの自己採点後に行われ、1月下旬〜2月初旬が主な期間です。合格発表は前期が3月上旬、後期が3月下旬です。
前期・後期の出願は同時に行う必要があり、自己採点を踏まえて短期間で志望校を決めなければなりません。そのため、あらかじめ複数の出願パターンを考えておくと安心です。
募集枠と倍率の実態
続いて、前期・後期日程の募集枠や倍率について解説します。
国公立大学では、募集の約80%を前期日程、約20%を後期日程で実施しています。つまり、受験生の多くが前期に照準を合わせて準備しています。
一方、後期は募集人数が少ない分、難易度が高いと感じやすい傾向があります。しかし、実際には辞退者が多いため、見かけの倍率ほど厳しいとは限りません。例えば、倍率が10倍とされていても、実際に試験を受けた人が半分以下というケースもあります。そのため、正しい情報をもとに冷静に判断することが大切です。
とはいえ、一般的には「前期で落ちた人が受けた大学よりも偏差値の低い大学に出願する」ので、同じ大学で考えれば前期よりも後期の方が圧倒的に難しい点は注意しましょう。
出題傾向と対策の違い
前期・後期日程では、それぞれで試験の出題傾向が異なるため、確認しておきましょう。
前期日程の出題傾向と対策方法
前期日程は募集人数が多く、合格のチャンスが広い日程です。出題内容は教科数が多く、記述問題も多く出されます。理系では数学・理科・英語、文系では国語・英語・社会などが標準です。
対策としては、共通テストだけでなく記述力を鍛えることが大切です。例えば、過去問演習や記述添削、模試での弱点分析が効果的です。大学によっては出題の癖もあるため、志望校の傾向を早めに把握しておくと、効率良く対策できます。共通テストで得点を稼ぎ、前期で決め切るつもりで計画を立てましょう。
後期日程の出題傾向と対策方法
後期日程では、受験科目が少なくなる傾向があります。その代わりに、総合問題や小論文、面接などが中心となる大学もあります。ただし、小論文だけといった場合でも共通テストで高得点が必要なケースもあるため、油断は禁物です。
対策としては、小論文の書き方を練習したり、面接対策として模擬面接を経験したりすることが有効です。例えば、志望理由書を添削してもらいながら内容を深める準備が必要です。後期は準備時間が短いため、前期の合格発表前から対策を始めておくと安心です。
前期不合格後の後期対策
もし前期が不合格で「後期日程に挑戦する必要がある」という場合は、以下のポイントを踏まえて対策しましょう。
短期間での準備ポイント
前期の合否発表から後期試験までは、2週間程度しかありません。しかも、前期の合格発表を待たずに後期の準備をしないといけないため、短期間で準備を整えるには、前もって計画を立てておく必要があります。
たとえば、小論文の型を覚えておく、面接の受け答えを想定しておくといった基本的な準備を事前にやっておくと、直前の対策に集中できます。
また、後期に出願した大学の試験形式をあらかじめ調べておけば、前期の試験が終わった段階ですぐに切り替えて対策が始められます。前期と同じように、後期にも合格のチャンスがあると考えて動くことが大切です。
後期で逆転合格する人の特徴
後期で合格をつかむ人には、いくつかの共通点があります。
第一に、前期で落ち込まずすぐに気持ちを切り替えていること。
第二に、出願先の形式に合った対策をしていること。
そして第三に、自己分析をもとに志望理由やアピール点を明確にしていることです。
例えば、小論文や面接で自分の意見をしっかり伝えられる人は、得点につながりやすい傾向があります。前期で失敗しても、後期でしっかり準備をすれば巻き返すことは十分に可能です。
出願・併願戦略の考え方
前期・後期日程に出願する際は、以下のようなポイントを踏まえて戦略を立てることが大切です。
前期・後期の組み合わせ例
大学受験では、前期と後期で異なる大学に出願するのが一般的です。その際、志望度や合格可能性を考えて、出願先をバランス良く組み合わせることが大切です。
例えば、前期で難関大学に挑戦し、後期でやや安全な大学を選ぶという方法があります。また、両日程ともに同レベルの大学を狙う人もいます。出願先を決める際には、大学の募集人数や出題傾向も確認しながら、自分にとって最も合った組み合わせを考えてください。
私立大学との併願戦略
国公立大学の前期・後期とあわせて、私立大学の受験も検討すると、より安心して入試に挑めます。私立大学の入試は日程が早めで、合格発表も早いケースが多いため、前期不合格時の保険として役立ちます。
たとえば、滑り止めとして私立の合格を確保しておくと、精神的に落ち着いて前期・後期に取り組めます。ただし、日程の重複には注意が必要です。出願スケジュールと発表日、試験日を必ず整理しておきましょう。
後期日程の縮小と注意点
近年では、難関大学を中心に後期日程の募集を縮小、または廃止する動きが増えています。背景には、共通テストや学校推薦型選抜の拡大、合否判定の迅速化などが影響しています。
たとえば、東京大学や京都大学などは、後期の募集を行っていません。
このような大学を第一志望にしている場合は、併願校で後期の受験機会を確保する必要があります。事前に各大学の募集要項を確認しておくことが重要です。
志望校の後期実施有無の確認方法
出願前には、志望大学が後期試験を実施しているかどうかを必ず確認してください。募集がない場合、前期で不合格になるとその大学には進めません。確認の方法としては、各大学の公式サイトにある「入試要項」や「募集要項」に目を通すことが基本です。
また、進路指導の先生や各大学の資料請求を活用するのも良い方法です。情報の見落としがないよう、出願前にチェックを徹底しましょう。
まとめ|前期・後期を理解してチャンスを最大化しよう
大学受験における前期・後期の制度は、単なる2回のチャンスではなく、それぞれに特徴や戦略があります。前期で実力を発揮するのはもちろんですが、後期を軽視せず、自分の志望校や状況に応じて柔軟に活用することが大切です。
また、制度の変化や大学ごとの違いにも目を向け、常に最新情報を確認しながら準備を進めましょう。前期でうまくいかなくても、最後まで自分の可能性を信じて取り組める人こそが合格をつかめるのです。


